かつては貴重だった砂糖
円安な今でさえめちゃくちゃ安く買える砂糖だけど、昔は高級品で貴族以上しか食べられないなんて時期もありました。
なぜ砂糖が高かったのかというと、そもそもサトウキビから取れる砂糖の甘味の秘訣であるとこの成分を作るのにエネルギーが必要で、太陽がサンサンと輝く熱帯地方でしか育たなかったからです。
なので、昔のヨーロッパじゃ香辛料と同じような扱いで、手に入れるのが困難だったみたい。
そこで、手に入れた南の方の小島とかで砂糖の栽培をしてみようと試みるも今度は土地の地力が足りずに失敗。
ポルトガルが軽くて高性能なキャラベル船を開発し、世はまさに大航海時代へと突入していきます。
砂糖の砂糖による砂糖のための奴隷貿易
コロンブスがインドを発見したとぬか喜びしていた西インド諸島が、サトウキビの栽培に気候的にも土地的にもハマってそうだったのでアフリカから奴隷を連れてきて、砂糖を作ってヨーロッパに輸出。
ヨーロッパからはアフリカに武器などを送って、俗にいう三角貿易が出来上がりました。
このサトウキビの栽培が大変だったみたいで、まずクソでかいサトウキビを運ばないといけない上に、収穫したらすぐに製糖していたから時間の融通も利かずに重労働だったそうです。
規則正しく作業をしないといけなかったから、それまでの農業よりも現代的な動きが求められたことでしょう。
そんな貴重品の砂糖のためにフランスは七年戦争で北アメリカを明け渡しても、サトウキビが採れる島だけは死守するという糖分に対する異様なまでの執着を見せます。
どんだけマリーさんはお菓子が食べたかったんだろうか。。
砂糖の貿易から綿の貿易に
1800年ぐらいにサトウキビ以外の植物、ビートから製糖する技術ができたり、奴隷制に対する風当たりが強くなっていったりして、サトウキビの大規模農園が衰えていきました。
代わりにイギリスで産業革命が進んで綿織物が機械で作られるようになってから綿の需要が爆増して、今度はそっちを大量に輸入するように。
人々の生活に今までなかった物が満ちてきて、奴隷反対の声が聞こえてきても結局は生活に必要だからと形を変えて奴隷は酷使され続けるというね。
現代社会でも同じで、少子化で物とサービスの供給が困難になっても結局その分働ける人間を酷使させて、高齢化で需要だけが増しても値段は据え置きで企業努力という名の社畜酷使をしなければならないということになってます。